| darling
darling
・・・・ ねぇ、聞こえる? 私の胸の鼓動 ねぇ、感じる? 貴方だけを見つめる私の視線 貴方の愛に包まれて 貴方の香りに包まれて 愛を囁かれ キスを貰って 抱き締められて 私の幸せの全ては 貴方がくれるから だから貴方の幸せは 私があげたいの サンジ。 私は今日もまた 貴方を好きになる・・・ |
| +-- darling darling ・・・・ --+ 〜second season〜 ラウンジの小窓から甲板を覗くと。グランドラインを眺め、煙草をふかすサンジの姿が見えた。 其れだけでギュッと締め付けられる胸に苦笑して、は扉に歩いてゆく。 キラリとサンジの肩で何かが光った。は気にも止めず、にっこりと微笑んだ。 音を立てないようにラウンジの扉を開け、新鮮な海風を吸い込む。 一歩一歩階段を降りる度に、サンジの綺麗な髪色が鮮明になる。 あと30センチ。 まだ気配に気付いていない恋人から、フワリと煙が流れた。 あと10センチ。 は黒いスーツの背中にそっと手を伸ばした。 ピクリと反応するサンジ。 大好きな背中へ頬を寄せて、瞳を閉じる。 「・・・?」 其の少し気の抜けた声色に、はハッと顔を上げた。 「サンジ? どうしたの!」 眼の前のサンジは力無く笑い笑顔を見せた。初めての表情に、ドクンとの心臓が跳ねる。 「なぁーんか、力が入らねェ。 初めてだなー、こんな感覚は」 は素早くサンジの額に手を当て、瞳を丸くした。 「酷い熱じゃない!! どうして放っておいたの?!」 「・・・え?・・・熱? いや、別に・・」 「サンジ、此処で待ってて!! いい? 動いちゃダメだからね!!」 焦ったの口調に軽く手を挙げたサンジは、ズルズルと甲板に座り込む。 駈けて行く恋人の姿が、サンジの視界でボンヤリと霞んでいった。 慌てたサンダルの足音が階段を駆け上がり、ラウンジの扉がバンッと開いた。 「チョッパー!! 何処にいるの!!」 何事かとラウンジに居たクルーの数人がに注目した。 奥から暢気なルフィの笑い声が聞こえる。 は肩を大きく上下させて、テーブルに半身を隠したチョッパーの前に跪いた。 「サンジが・・・・ハァハァ・・・酷い熱なの!」 「「 えッ!? サンジが!! 」」 声を上げたチョッパーとウソップを尻目に、ゾロが苦笑する。 「あのアホコックが、そんな上品なモンに縁があるかぁ? 、気にしすぎだ」 「違うの〜! 私だってサンジが病気した事ないくらい知ってるわ。 ホントにフラフラなの!!」 切羽詰ったの様子に、ナミとロビンが顔を見合わせた。 トテトテと走ったチョッパーが救急箱を取り出して、の前に戻ってくる。 「、サンジは何処だ!?」 「船尾! お願いね、チョッパー!!」 二人は並んで船尾へと走って行った。 降り注ぐ陽射しの中で、瞳を閉じて壁に背中を預けているサンジが見える。 甲板に投げ出された長い脚に、見慣れた力が無い。 は泣き出しそうになる自分を抑え、気丈な微笑みを貼り付けた。 「サンジ! チョッパー来たわよ?!」 呼ばれたサンジは、随分と緩慢な動きを見せて瞼を開ける。 の心臓は悲鳴を上げる程にキュッと絞られた。 チョッパーが機敏な動作でスーツの胸を開け、サンジのシャツを捲る。 ヒタヒタと白い肌に当たる聴診器を、は祈る思いで見つめた。 「サンジ、どっか痛いとこは無い?」 サンジは眼を瞑ったまま、チョッパーの問いを微かに否定した。 「・・・そう。 ちょっと男部屋まで連れていくよ?」 人型に変身したチョッパーの肩に、サンジの身体は軽々と担がれた。 「チョッパー・・・?」 がブラリと下がったサンジの手を握り、チョッパーを見上げる。 頼りになる名医は優しくと笑うと、大丈夫だと頷いた。 急遽用意されたベッドに寝かされ、サンジは吐息を洩らした。 サンジの不調を心配したクルー全員も顔を揃える。 ゾロが訝し気にサンジを覗く。 床に膝をついて介抱するの背を、ナミが優しく撫でた。 「サンジ君、風邪でもひいたの? そんなヤワじゃないと思うんだけど・・・」 ナミの声が、不気味な位に静かな男部屋に響いた。 氷水に冷やされ真っ紅になったの手から、雫がポタポタとボウルに滴る。 キュッと絞ったタオルをサンジの額に乗せて、チョッパーの診断を待つ。 「おかしいな・・・特に異常は無いんだ。 少し熱があるけど、心配するような高熱じゃない」 は代えのシャツを取り出して瞳を伏せた。 ゆっくりとサンジの手が伸び、を探す。 は慌てて其の手を握った。 「チョッパー・・・大丈夫だ。 暫くこうしてりゃ・・・治る。 何でもねェ・・・よ」 ゾロに肩を叩かれたチョッパーは、クルーを見回しコクリと頷いた。 「解った。 ラウンジに居るから、いつでも呼ぶんだぞ?」 「・・・ぁぁ」 熱い息と共にサンジが返事を返す。 を除く全員が部屋を出ると、サンジは薄く蒼眼を開いた。 「・・・、頼みがある。 俺の代わりに・・・夕食・・・作れるかい?」 自分の非常事態にまで夕食の事を心配するサンジに、はフッと笑い掛ける。 汗ばんだ金糸を優しく撫で、熱い頬にキスをした。 「そんな心配しないで。 大丈夫よ。 丸一年、海の一流料理人の元で修行したんだもの。 勿論サンジみたいに美味しく・・・は無理だけど、精一杯私なりに頑張ってみる。 ・・・サンジ? 此れはきっと神様がくれた休養なの。 私に任せて、ゆっくり休んで」 暫くを見つめたサンジは、眩しそうに笑って瞳を閉じた。 もう一度額のタオルを冷やし直し、は立ち上がってラウンジへと向かう。 「・・・・」 優しく名を呼ぶサンジの声に、は振り返った。 タオルで隠れた横顔から、少し微笑みを乗せた口元が解った。 「クソ・・・愛してんぜ?」 毎日毎日。 何かにつけ囁かれ続けても、一向に心臓が鎮まる事は無く。 トクンと跳ねた自分の心音を感じ、は照れ笑いを見せた。 「私もよ、サンジ。 貴方しか見えないわ・・・」 出来れば傍で介抱していたい気持ちを、胸の奥に押し込め。 愛する人の望みを一番に叶えようと、は手を握り締めた。 いつもと変わらない柔らかい微笑みで、がラウンジの扉を開けた。 其のままキッチンに立って火を起こし、食材をテキパキと並べる。 「いいのよ、。 アンタはサンジ君の様子見てなさいよ」 「・・・・ありがとう、ナミ。 私、サンジの役に立ちたいの。 待っててねッ、美味しいの作るから!」 まだ困惑するナミを見て、ルフィがニッと笑った。 「 !! うんッ・・・・め〜〜〜の、待ってっからな!!」 「はぁい!」 大きな鍋を抱えたは、ルフィに振り返って明るく微笑んだ。 早速料理に取り掛かったは、以前から集めていたサンジの走り書きレシピを見直す。 独りでキッチンに立って居ても、背中にはサンジの温もりを感じていた。 自分達が紡いできた一年を振り返りながら、は夕食を作ってゆく。 初めてが火傷した時に、血相を変えたサンジの顔。 のレパートリーが1つ増えたと言って、焼いてくれたプティ・ケーキ。 立ちっぱなしの身体を気遣って、サンジが淹れてくれた美味しいフレーバーティ。 の鼻先に飛んだクリームを、優しいキスで舐め取ったサンジの笑顔。 新しく考えたメニューの味見は、いつもの役目だった。 そしてキッチンに立つサンジが口癖みたいに囁く言葉。 ―――――― 愛してるぜ? 。 男部屋で寝ているサンジを想えば、胸が締め付けられる。 でも、サンジの願いも叶えたい。 は飛んでいきたい心を抑え、料理に集中した。 苦戦を重ね出来上がった料理を振舞い、クルーの笑顔を見てホッと一息を吐く。 みんなの笑顔を見ると、少しだけサンジに近づいたように思えた。 直ぐに病人食も用意し始めたへ駆け寄ったチョッパーが、クルクルとした瞳で見上げる。 「、なるべく消化のいいものを食べさせてやってくれ。 でも、何だろう・・・また後で診てみるからな!! 心配いらねェぞ!!」 チョッパーの気遣いに、は優しく頷いた。 温かいスープを口に運んでいたナミが顔を上げる。 「悪いわね、。 折角の誕生日なのに」 野郎共はハッと顔を見合わせた。 動揺したウソップがガタリと立ち上がる。 「そうだ! の誕生日じゃねェか!! とは言え、サンジが居なけりゃ主役を失ったも同然。 ヤツの事だ。 自分だけハズされたら・・・眉毛からハリケーンを発生させて怒り狂うな。 じゃあ、サンジが治ったら改めて宴をするか? そン時は俺の8000人の部下も引き連れ・・・」 「誕生日。・・・・そうだとしたら辻褄が合うわね」 あっさりとウソップを遮り、ロビンがクスッと笑う。 何が "辻褄" なのか解らず、は鍋を片付けながらロビンを見つめた。 「小説家さん? 貴女、早く料理人さんの所へ行った方がいいわ」 「・・・ロビンちゃん、どうして?」 楽しそうに笑ったロビンは、キツネ色に焼けたパンを千切って小首を傾げる。 「いつもロビンちゃんはそうなんだから〜」 は此れ以上聞いても無駄だと悟り、オーバルディッシュをトレイに乗せた。 そそくさとサンジが居る男部屋へと急ぐを見送るクルー。 「どういう事?」 バタンと閉まった扉を眺め、不審な表情のナミがロビンへ向き直る。 「とても良く似た昔話を思い出したに過ぎないのだけれど・・・。 船医さんも解らない症状なら、御伽噺に頼ってみてもいいかもしれないわね」 ロビンは肩を竦めて笑い、綺麗な黒髪を揺らした。 「・・・遠い遠い国に語り継がれる物語。 心から偽り無く愛し合う "運命の恋人達"の話・・・。 身も心も美しい娘に心を奪われた男が居たの。 男は娘に惜しみなく愛を捧げ、娘も全霊で男を愛した。 周りの者まで幸せにしてしまう様な二人は、いつの間にか人々から "運命の恋人" と呼ばれた」 肉の話じゃねェのか、とルフィが呟いた。 「二人は時を重ねて愛し合い・・・娘の誕生日に、男はある決意をするの。 ところが娘の誕生日に、男は突然酷い発熱に襲われた。 娘は慌てて医者を呼ぶが、原因は解らない。 身体の自由を奪われた男は、娘に願いを伝えるの。 いつものように笑ってくれと・・・。 それは・・・幸せな二人の姿を見て、妬んだ妖精達の悪戯。 本当の運命の恋人かを試すの・・・」 クルー達は料理を口に運びながら、ロビンの話を聞く。 「ねぇ、決意って何なの? サンジ君とを妖精が妬んだって事?」 ナミが遠回しな話に焦れる。 フーンと唸ったウソップは、腕組みをして話をなぞった。 「じゃあよ〜、ロビン。 其の御伽噺の妖精の悪戯は、どうやったら解けんだ?」 うんうんと頷いたチョッパーがロビンを見つめる。 「妖精の悪戯は・・・男の願いが叶い、決意を口にすれば解けるの。 フフッ、ロマンティックでしょ?」 「何処がロマンティックだよ!! ただの迷惑話じゃねェか!!」 唾を飛ばしたウソップの隣りで、チョッパーがハッと表情を変える。 「あ!!!! 其の通りだったら、俺・・・全然役に立たねェ!!!!」 顎を落としたチョッパーの肩を、ルフィが大笑いしながらバンバンと叩く。 「命に関わる発熱では無さそうだし・・もう少し様子を見てみたらどうかしら?」 クルー達はロビンの提案へ特に否定意見も出さず、を待つ事にした。 男部屋にフワリと美味しい香りが漂い、サンジがゆっくりと蒼眼を開ける。 同時に瞳に映ったを見て、安心したように笑った。 「サンジ・・・大丈夫? 少し食べれる?」 「あぁ、大分いいよ。 また凄ェ美味そうな香りがすんなぁ。 上達しましたね、お姫様」 は照れた笑みを見せベッド脇に膝をついた。 やっと近づいた距離に安堵する。 半身を起こしたサンジの腕が伸び、の髪を撫でた。 「サンジ、あ〜ん」 はスプーンでドリアをすくい、サンジの口に運ぶ。 時間を掛けて租借したサンジは、ニッと笑った。 「俺の味だな・・・。 、クソ美味ェよ」 「ホント?!」 嬉しそうに笑うは、またドリアをすくった。 「・・・・」 顔を上げたの瞳に、真剣なサンジの表情が映る。 「あ・・・どこか痛い? 待って、チョッパー呼んで・・・」 「いや、違うんだ。 俺の話を聞いてくれ」 慌てて立ち上がろうとしたの腕を、サンジはグッと握った。 サンジはベッドの上にを引き寄せ、両手を白い頬に添えた。 「悪ィ。 愛するの誕生日に、熱なんか出しちまって・・・明日はちゃんとケーキを焼くからよ」 「ありがとう。 でも無理しないで? いつでもいいの。 今はサンジの体調が一番でしょう?」 微笑んだは、サンジに体重を掛けないように気遣い首を振った。 其の華奢な身体に片腕を回したサンジは、の耳元に唇を近づける。 「今年の誕生日に、言おうと思ってた」 「・・・・え?」 髪を撫でているサンジの指が少し震えているのを知り、黙ったは耳を澄ました。 「、貴女は俺の全てだ。 俺の愛を独り占めにする貴女と、一緒に歩いて行きてェ。 ずっと・・・貴女だけを瞳に映し、辛ェ時も嬉しい時も・・・・と二人で居てェ」 サンジはそっと密着した身体を離し、の瞳を見つめた。 「――――――― 俺と 結婚してくれませんか。 レディ・・・・・」 は自分の震える唇を両手で抑え、聞こえた言葉を頭でなぞった。 驚きと嬉しさを通り越し、自分は夢の中に居るのかと疑問に思う。 サンジはピタリと固まっているの左手の薬指に、優しいキスを落とした。 「勿論、結婚はゴールじゃねェ。 此れからも、溢れる程の愛をに捧げる。 貴女の過去も現在も未来も、俺にくれねェかな。 俺の為に、ウェディングドレスを着て欲しいんだ」 言葉を詰まらせたサンジは、を凍りついたように凝視する。 其の背後でキラリと光源が瞬く。 緊張でカラカラに渇いた喉で、はやっとの思いで声を出す。 「サンジ・・・私・・・貴方と幸せになりたい・・・・」 サンジは声にならない嬉しさを噛み締め、思い切りを抱き締めた。 「!!! 貴女を幸せで満たすと誓う! 絶対に哀しい涙は流させねェ! 世界一美しい花嫁の為に、俺は世界一クソッ・・・美味ェウェディングケーキを作るぜ? 今度上陸する島で、リングも買おう。 山程のウェディングドレスを試着してよ!!」 サンジは腕を広げて、思い描いていたプランをまくしたてた。 も何度も頷き、眼の前の恋人に募る愛しさを感じる。 そして、すっかりいつもの調子に戻ったサンジを不思議な気分で眺めた。 「サンジ・・・熱、ひいた?」 「・・・・ん? そういや、ダリィのも取れてやがんな。 何だったんだ、ありゃ?」 頭を捻ったサンジの身体に、は思い切り抱きついた。 ポフンッ、とベッドに倒れ込む二人。 「多分よォ・・・を愛しすぎちまった、恋の病だったんだな・・・」 愛する恋人の眼に付く場所全てに、サンジはキスの雨を降らせる。 白いシーツの上でキスを交わし、が甘い吐息を吐いた。 「よく解らないけど・・・幸せ。 最高の誕生日プレゼントを貰ったんだもの」 「此れくらいで満足してたら、身体がもたねェぜ? 俺の愛で窒息しねェように、気をつけて・・・」 柔らかいの唇にフレンチキスを落とし、サンジは優しく微笑んだ。 ラウンジに待ちくたびれたクルーが居るとも知らず。 暢気な二人は、夜更けまで永遠を誓う愛を囁き続けた。 The end シャオ 「いやっほーーーーーーーーい!!!!!! >< 夕ちゃん、踏み踏みありがとう!! えー・・と、9万円HITですか? 多大にお待たせして申し訳ありやせん!! 以前捧げましたdarling×2の続編でした。 続編なんでプロポ!! ←安易ですか」 サンジ 「あぁぁああvvvvv ちゃんのウェディング姿・・・眼も醒める程に美しいんだろうなぁ・・・」 シャオ 「はい、お美しいです。 サンジには勿体な・・・ヒィッ! 怖ェ!何だよ、其の顔!!」 サンジ 「ンだとコラ? 俺とちゃんの恋路を邪魔する奴ァ・・・骨も残さねェ程に煮込むぜ」 シャオ 「・・・・美味しくしてね。 夕ちゃん、お誕生日おめでとう! いつもありがとう!!」 サンジ 「夕ちゃん、おめでとう。 今年も素敵な貴女を見つめさせてくれ・・・」 ということで。 「バニラの花の砂糖漬け」シャオ様から戴きました“darling darling…〜second season〜” そうです、2なのです続編なのですvvv 以前に戴いた“darling darling…”の。 もうこの話がすっっっっっっっごく、お気に入りな私・葉月は「バニラの花の砂糖漬け」9万円HIT踏んで キリリク権を戴いたときに続編・続きをリクしました。 ホントはあれ一つで終わるところだったのに…… 続編、なんてリクかましてすみません。 ですがホントに期待を裏切らない出来vvv 冒頭のヒロインモノローグだけでぐっと来ます。 そこだけで来るんだから、あとはもう……v うんうん、リングも買いに行くし、ウェディングドレスも試着 しまくるから。どれが私に一番似合うかは、貴方が決めてね。サンジ。 シャオにゃ〜! ホントにホントにありがとう! 嬉しいでつ! 大事にするね。 このお話を書いてくださったシャオ様のサイト、「バニラの花の砂糖漬け」へは下のバナーからどうぞ。 私も日参のサイト様です。こんなに、素敵なサンジが貴女を待っています。 |